■ はじめに |
第3回は椹野道流の「奇談シリーズ」(講談社ホワイトハート)のキャラクター、天本森について取り上げていきたいと思います。椹野道流・著 、「奇談シリーズ」、出版社・講談社より抜粋、引用させていただきました。 |
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■ 天本森の外見と性格 |
漆黒の美しい髪と瞳、ハーフで彫りは深めで黒子1つない美しい顔。とにかく整っています。180cm、69kgと抜群のスタイル。また、片眉を上げること・考え事をしている時に小指(親指の時も)を噛む癖があり。
特技は料理。いつもおいしそうな物を作って、敏生たちに食べさせています。そしてかなりの甘党。洋菓子から和菓子まで何でもオーケー!自分でケーキも焼いてしまう。天本さ〜ん!是非、家に来てください。
そして意外な特技(?)が一弦琴を弾けること。亡き母のまねをして必死に覚えたらしいです。
性格はかなりテレ屋で、心配性の過保護です(特に敏生に対して)。人見知りするので、初対面では無愛想で怖そうに見られてしまいますが、素顔は温かい優しい人。また、頼りになる反面、脆い所があり、心に深い闇を抱えています。
現在、一戸建てに住んでいますが、借金は残ってないとのことで、けっこうリッチな生活かもしれないですね。普段は売れっ子の小説家として、裏では術者(しかも危険度の高い裏の術者)として忙しい毎日を送っています。
さらに、その家に住んでいたため、敏生と運命的な出会いを果たすわけです。出会った当時、天本さん26歳、敏生17歳。なんと26歳で既に家持ち・仕事順調だなんてすばらしい!経済的に余裕のある男なんて最高ですね。敏生も素敵な所で行き倒れました。まさに運命としかいいようがないでしょう! |
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■ 甘々・過保護 |
甘々シーンを読むたび、顔がにやけて身悶えさせられています…甘いんですよ、す〜ごく!!その身悶えも、奇談シリーズを読む楽しみの一つである事はまず間違いない!!そして第2部以降、ますます拍車がかかっていて、天本さんてば何だかすごーく積極的じゃないですか!もうさらっとこっちが照れるような事をしでかしています。
ちなみに甘々シーンはラストには必ずつきものです。もう基本中の基本!毎回どんな砂を吐くようなデロ甘vvが待っているのか、そんな所も楽しみに待ってしまっています。 |
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(余計な干渉は一切しない森だが、それは無関心だからではない。本当は人一倍心配性なのである。) |
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敏生がバイトで遅くなった時は夜食を作ったり、帰ってくるまで起きている優しい天本さん。 |
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「まったく、世話ばかり焼かせるんじゃない。もう少しで丸ごと喰われてしまうところだった…。行くぞ!」 |
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天本さんは敏生が危険な目に合ったら、心配して本気で怒ってくれます。 |
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(叱っておいてすぐに甘やかしては、意味がないじゃないか)
(それでも、敏生がいつもにこにこしていてくれないと、自分が何か落ちつかない気持ちになるのだから仕方がない。) |
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天本さんはそんな自分に戸惑いながらも、意外と心は正直なようです。ククク。 |
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「俺はつい、大切な人がつらいことや悲しいことに遭わないようにと、過剰なまでに守ってしまう。……それは、傷ついた相手を受け止めてやれる自信がないから。大切な誰かを失うことがあまりに怖いからです。俺は、かくも臆病なんですよ」 |
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これはちょっと切ない言葉。天本さんの苦しい過去と弱さを感じさせる台詞です。 |
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「そんなに嬉しそうにされたら、自分で食うより君に食べさせたほうが楽しいじゃないか」 |
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カニが故意に放置されて、しかも天本さんを見つめる異様な沈黙に耐えかねて、殻からとった身を敏生にあげる天本さん。しかし、とてもおいしそうに食べるので自分の分まであげています。甘い!甘すぎ! |
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「……だいすき……」 |
敏生がそっと天本さんに囁きます。 |
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(そうすると優しく前髪を掻き上げられ……このうえなく大切な宝物に触れるように敏生の額に触れた冷たいもの……。) |
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初でこチューですよ。チュー。しかも車内で!龍村先生が運転しているのにも関わらず。 |
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(幸か不幸か敏生は覚えていないようなのだが、あの時、敏生の額にキスまでしでかした森である。こんなふうに身を寄せてくる敏生を拒む理由などあろうはずがない。) |
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無意識に甘えて持たれてくる敏生に対して、天本さんはこんなこと考えてますvvさらに仕事でくっついて寝ることになる2人。照れるため体に距離が開きます。けれども敏生に促され、ニの腕で腕枕をして敏生を胸に抱く天本さん。照れている割に開き直るとしっかりちゃっかり? |
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「……だったら……この風邪を半分もらってくれないかな」 「…君が……好きだよ」 |
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風邪で弱りながらも敏生に初めての唇にチュー。普段はとっても理性的なので、このくらい弱っている方が本音が語りやすいのかも。 |
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「時間がないんだ。これで間に合わせるよ」 |
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とか言って敏生の口角についたジャムを拭い取り口に含む天本さん。朝食代わりにジャム食べてますよ!敏生の唇についたやつ!どんな朝食ですか。
それから敏生が仕事に行く天本さんを不安げに見ていると、敏生の頭を自分の方へ引き寄せて軽く唇を合わせたりしています。こらこらこら。怪我して入院した天本さんは心配で、泣き腫らした敏生に何度もチューチュー。意外に元気ですね…。 |
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「やれやれ……。手の掛かる奴だ」 |
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敏生が天本さんのベッドに潜り込み眠る。甘い響きでそっと呟き、軽くキスして天本さんは同じベッドで眠ります。全然嫌がってません。 |
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「しっかりくっついていれば、誰にも見えないさ」 |
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天本さんは冷えている敏生の手を握って、自分の手と一緒にロングコートのポケットに入れています。恥ずかしがる敏生と大胆な天本さん。 |
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他にも、ベロチューかましてたり…。それで敏生は天本さんの虫歯を発見してました。そんなにベロベロ舌で舐めまわし…(すみません)。また、敏生と遊園地にて、ココアとクッキーの回し食べ!ティーンエイジャーのカップルみたいとテレながらもしっかりやっていた天本さん。案外好きなんじゃ…?
そしてけっこうやきもち焼きな天本さんが可愛いvv敏生が河合さんに膝枕をした話をしたことにちょっと怒ったり、早川さんが自分より敏生の望みなんかを知っていると腹を立てています。さらに、敏生の友人のヒロ君に嫉妬の虫がいっぱい出てきて追い払うのが大変だったようですね。
しかしパパ・トマスの干渉が増えてきているので、甘さだけではなく、重い決意とか切なさとか色々含まれていることも…。 |
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「俺の最大級の我が儘だ。……傍にいてくれ。俺は君を、俺のすべてを賭けて守るから」 |
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この台詞は、近い将来、天本さんとパパの対決があることを予想して自らへの戒めの意味も含んでいる言葉が切ないですね〜。 |
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■ 杉本霞波と森の過去 |
天本さんはいつも、ホワイトパールがついたデザインの細い銀の指輪を右手中指の付け根にはめています。これは元々、天本さんが霞波さんに送ったものでした。そのため彼女が亡くなった時は、十日間一切飲み食いできず、ひどくやつれて喪失感と孤独と悲しみでいっぱいになってしまうほど愛していました。 |
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「まだ駆け出しの頃、簡単な仕事だと高を括って、大切な人を亡くしたことがある」
「龍村さん。俺には、そんな資格はない!この指輪をはめたとき、もう誰も愛さないと誓った。だから敏生のことは……違うんだよ、龍村さん」
「敏生のことは、年の離れた弟のように可愛いのだと………そう思いたいんだ。そうでなければならないんだ。でないと俺は……」
(俺が敏生に惹かれている?……馬鹿な。こいつはまだ子供じゃないか。それに――それに、敏生は少しもあの人に似ていない。あの人は……長い黒髪と、不自然なまでに黒い瞳をしていた。そして、透き通るような白い肌を……。) |
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龍村先生に天本さんの敏生に対する想いを言われ、激しい口調で天本さんは遮り、頭を振って否定しています。けれどかなり動揺。 |
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「できるものか。霞波を思い出にするなど。一日たりとも、彼女のことを忘れたことはない。そしてこれからも……これからも、決して忘れることはできない。一生、忘れることはない。死語の世界にも、この苦しみは持っていく」 |
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龍村先生と言い合う天本さん。 |
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「天本さんは僕のこと、どう思ってるんですか!僕と霞波さんとどっちが好きですか?どっちが大切?」 |
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敏生とチュー事件後、何となくギクシャクしていた天本さん。その時に依頼された仕事が一緒にできないと言うことがあり、ケンカに発展…。そして天本さんは、
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「俺は君が好きだ。君のことをとても大切に思っている…」 |
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と前者の質問にはこう答えていますが、後者の答えには答えられずにますます関係が悪化してしまいました。 |
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(敏生が次第にかけがえのない存在になっていくのを感じるたびに、霞波に対する罪悪感が胸を灼いた。)
(俺は、敏生を失うのが怖いんだ。……俺のせいで、敏生を不幸にしたり……死なせたりしたら……もう俺は……) |
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天本さんはこう自問自答していたら、不意に龍村先生の声が聞こえます。 |
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「―お前は、霞波さんより愛せる誰かを見出してしまうことが怖いんだ」
「霞波への償いは……一生かかっても終わることはない。……俺は生涯、霞波を殺した罪が影みたいにつきまとっている。……そんな俺が、どうやって敏生の気持ちに応えてやれる?」
(自分が霞波への終わることない償いを背に負っている限り、敏生はそのことで傷つき続けるのだろう。互いへの想いが深くなるほど、傷口も大きくなっていくに違いない。もし敏生が自分の下を去る決心をしたのなら、それを受け入れるべきだ……。)
(だが、理性はそう主張していても、感情はそれでは耐えられないと悲鳴を上げている。こんなにも傍にいてほしいと思える人間を、再び見つけてしまったこと。こんなにも愛しいと思える人間を、心に住み着かせてしまったこと。) |
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独り、そんなことを考えていたら、敏生に家出されてしまいました…天本さん…。しかし敏生が戻ってきてから2人でじっくり話し合った結果、 |
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(敏生を愛する気持ちをくれたのも、霞波の心……霞波の、人を慈しむ心なんだ……)
「生き続けることこそが償い………そうか……そういうことなのか、龍村さん」 |
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天本さんはこうして自分野気持ちを受け入れることができたのでした。 |