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PICKUP =  第1回  直江信綱




■  はじめに 
 
 第1回は桑原水菜の「炎の蜃気楼」(集英社コバルト文庫)のキャラクター、直江信綱について取り上げていきたいと思います。桑原水菜・著、 「炎の蜃気楼」、出版社・集英社コバルト文庫より抜粋、引用させていただきました。
 この作品の用語について、簡単に「PICKUP1b」(右上)で説明しています。
■  一見した直江と実際の直江

  187cm、75kg、AB型、5月3日生まれ(第1巻当時27歳、現在33歳)。上杉夜叉衆の一人にして、景虎様の後見人。鳶色の髪と瞳、端整な顔立ちに涼しげな瞳、肩幅が広く年不相応の落ちつきで物腰は控えめ。
 服装は黒いスーツ・黒のミリタリーウェア(赤鯨衆入隊後)・法衣(僧侶だから)と黒い服をいつも着用。そして、WINDOMの車にEGOISTの香水にパーラメントのタバコ、さらにゴールドカードとゴージャスぶり(主に第一部で…)を発揮。
 
 さらには常に(高耶さんに対してのみ)丁寧語で攻めてくるなんてシビレます!ちなみに普段の一人称は「私」なのに、感情が昂ぶると「俺」になに変化していますね…。そんな男、たまらないです。
 しかし、実際はただのカッコイイ男ではありません。400年以上着々と積み上げてきた思考の高速回転!さすが直江。他のメンバーだって400年以上生きてるのに…やっぱり直江ですから…。
特徴1 回転する男

「歪曲した精神の産物。長すぎた生のなかでゆがんでしまった魂が、絶え間ない疼痛に耐えかねて、生んでしまった偽物の妄念……。」  (断章p34)

「この愛は、歪みきった精神の産物。妄想。錯覚。ただの偽物。」 (6巻p216)

「(俺に征服されたいくせに……)誇り高い独裁者でありながら、うちにみだらな欲望を潜めている。真のあなたはマゾヒスティックな獣なのだ。」 (7巻p130)
 
「この人が壊れてしまえばいい。」 (5巻p238)

(そうしたら、自分は、壊れてしまったこの人を腕の中に抱いて、もうどこにも逃がさない。誰をも愛さなくなったこの人を、この腕から永遠に離さないだろう。たとえそれが、この人を愛している人であっても、この人が愛していた人であったとしても……。触れさせはしない。渡しはしない) (5巻p238)

(黙って見ていると強暴な気持ちに駆られてどうにかしてやりたくなる。皆の前で、首の根を押さえ込んで、服を剥いて後ろから思いきりぶちこんでやりたい。熱烈な信奉者たちの目の前で犯されて、プライドと羞恥と屈辱でズタズタにされた彼はどんな顔をするだろうか。知りたい。) (27巻p147)
 こんなことを普段から考えている危険思想の持ち主・直江を調教できるのは高耶さんしかいません。でも、時々(しょっちゅう)狂犬になるから要注意人物です。 
(持病のような妄想) (断章p36) 
 その通りすぎるでしょう…。意外と自分のことをよく分かっているじゃないですか、直江。 
「だれかに奪われるくらいなら、この手で殺してしまおう。だれかに触れられる前に、殺してしまいたい。―独占欲が高じると、愛情なんてものはすぐに殺意に変わってしまうんですよ……」 (断章p49) 
 直江は「よくある感情です……」とか言ってますが、それは直江だけ。 
「……奴隷になれば救われるんだ……」 (20巻p102)

「身体があるから、肉欲が消えない。触れたい抱きたいなんて思ってしまう。(省略)いずれにしても、飼い犬に無理やり犯されたなんてことになったら(省略)」 (7巻p180)  
 それを聞かされた景虎様の実兄の氏照氏は、直江の回転に青ざめて直江を凝視しています。凝視したくもなるでしょうね。 
特徴2 直江の実像

高耶さん→オレだけの飼い犬、駄犬野郎、悪党など

千秋→瀕死の痩せ犬

高坂→小心者の狼殿

兵頭→去勢された犬

直江本人→狂犬、ドーベルマン(何かランク上がってませんか?)
 というように、自他共に認める≪犬≫であることはまず間違いないです。そして、どこへ行っても直江は犬呼ばわりされてます…。さらに、高耶さん本人から悪党とか言われてるように、色々な意味で危険な男です。
「あの男は存在そのものが男性器」 (21巻p105)
 直江…ものすごいこと言われてますよ。つまり直江=マ●ってことでしょう?それがまた決して貶している訳じゃない所がまたすごいです。そして、双方向できないはずの≪魔王の種≫で、信長の動きを探ってしまう男。 
(直江という男は時折想像を超えることをやってのける) (38巻p180) 
思わず高耶さんもビックリ。でもそれはいつものことですよ〜。いつも想像外のことをしでかしてますよ〜。一方、直江いじめの筆頭(?)の高坂は直江を正確に把握しています。さすがです。 
「きさまのようなケダモノじみた人間を側近に置いておくとは、景虎殿もなかなか寛大なお方だ。そばで護るようなふりをして、内心欲情をたぎらせているのだろう?その身体を抱くチャンスでも、狙っているのだろう?」 (断章p62)

「どこまでも歪んだ奴だな。(省略)主君を辱めているのは貴様のほうだろう?その心のなかで、もう何度景虎を犯した?何度景虎を屈服させた?」 (断章p62) 
 多分数え切れないほどだと思いますよ。欲情たぎらせまくり、心の中で犯しまくりでしょうから。
特徴3 アオカン直江

 かなりアオカン好きな直江。高耶さんを押し倒す、押し倒す…。特に3部の≪黒き神官≫とか呼ばれてる辺り、色々なさっていますよ〜。黒き神官は中身もかなり黒いです!
 例えば、足摺岬・足摺近辺のコテージかモーテル・瀬戸内海の洞穴(小太郎がいるのに)・屋形船で・基地の草むら(潮がやってきたのに)・キャンプの中で(高耶さん疲れてるのに)。
 などと例をあげたらキリがありません。何回も押し倒し、コトに及んでいます。(高耶さん、もっと抵抗しないと…案外好きなんですか?高耶さん…)おまけに高耶さんがお疲れの時に多い!人の弱みに付け込んでやりたい放題。もっと自重しましょう、直江。
「……どこが神聖なんだ……こんな獣…。こんな熱い肉襞のどこが……」 (29巻p147)

「こんなに求めてくる……こんなに汗ばんだ肌の…こんな貪欲な……淫乱症の……どこが」 (29巻p147)
 頭蓋骨が軋む程頭を壁に押しつけ、さらに腰に腰を押しつけて隊員・楢崎の目の前で犯す直江。赤鯨衆の隊内の基地でコンクリプレイ。おまけに楢崎を階段から突き落とす始末。肉襞っていやん。おまけに高耶さんのことをニンフォマニア(色情狂)とか言ってます。
「あなたと、やりたいんですよ」 (9巻p132)
 
「いまさらいい子ぶったって始まらない。俺を待っていたのは期待していたからでしょう?」 (9巻p132)

「そうすれば問題ないんでしょう?ベッドの上で俺を飲みこんで、長い髪を乱れさせて淫乱な体位で、腰を揺らしながらよがり声をあげてもだえ狂うあなたは……どんなに官能的でしょうね。あなたはマゾヒストだから、倒錯的なプレイをたっぷり仕込んであげる。うんと濃厚で恥ずかしいやつをね……」 (9巻p135)

「あなただって本当は犯されたいんでしょう。ごまかしたって知っている。強姦されるほどほ欲しがらなきゃ、本物の愛じゃないなんて考えてる。俺が無理矢理犯すのを待っている。口では拒むくせに体は受け入れたがってどうしようなくなってる。だったらいますぐ入れてやろうか」 (11巻p43)

「淫乱な悪魔め」 (11巻p43)
 直江絶好調!もはや誰にも止められません。
特徴4 言葉の使い方

 基本は丁寧語(高耶さんのみ)ですが、直江はなんだか横文字を使いたがります(これも高耶さんのみ)。
「タイガース・アイ……」 (9巻p131)

「アマデウス」 (9巻p142)

「―Nothing to lose……」 (11巻p45)
 
(精神的精子=スピリチュアルスペルマ) (20巻p101)

「永久沈黙=パーマネントサイレンス」 (26巻p12)
 
「魂核爆発死現象=ソウルバースト」 (26巻p12)

「私は必ずしも……ミゼラブルだとは思いません」 (30巻p72)
 ミゼラブルとは≪惨めな・不幸な・哀れな≫という意味ですが、何故ミゼラブル??さらに直江という男を特徴付ける重要な台詞、もう直江語と言ってもいいだろう名言(迷言?)が数多くあります。とにかく1度見たら忘れられないのは確かです。 
「……大人の本気を教えてあげる」 (9巻p134)

「ほら。もう反応してる。この坊やは正直ですね。遊ばれたくてウズウズしてる」 (9巻p136)
 
「ほら。あなたの坊やは言ってますよ”おんもに出たいって”」 (9巻p137)

「……あなたのサイズは……指で転がすのにちょうどいい……。でも右の××は……ほんのすこし……×××……ですね……」 (9巻p137)

「私を……縛ってください……」 「あなたの鎖で、もっと私を縛りつけてください」 (断章p120〜121)

「不老不死を得る『神の聖液』と呼ばれるものは砒素を含んでいたと聞きます。だとしたら、あなたの”しろいの”も、私を不死にさせるかもしれませんね」 (24巻p171)
 思わずどんな本気よ?と思いましたね。これほどの衝撃は中々ないでしょう。下記にある「あなたの犬」発言と双璧を成す言葉です。しかもコバルト文庫で伏字って…。もしかして初めてなんじゃないかと想いました。ちなみに伏字の×部分には何が入るのかすごい気になります。
 それにしても≪しろいの≫は名言ですね。高耶さんが発信源かと思っていましたが、いつのまにか直江も使っていました。直高語なのか、それとも高耶さんのことなら何でも知っているのか…とにかく印象に残っている言葉です。 
「いいえ。久しぶりにあなたの内臓の臭いを嗅いだ気がしました。このまま腑をすすりたい気分です」 (32巻p157)

「次の一秒を、あなたと心臓擦り合わせていきたいだけです。(省略)あなたとの次の一秒を、どこまで濃く塗りつぶせるかだ。塗りつぶしていけるかだ。」 (32巻p156)
 一体過去のいつごろ高耶さんの内臓の臭いを嗅いだんでしょうか?腑すすりたいって…。心臓擦り合わせてって…。これぞ直江語の本領発揮です!!直江流の濃厚な愛の告白です。戦きながらもときめきましょう。
特徴5 狂犬モード

「あなたの”犬”です」 「”狂犬”ですよ」 (断章p127) 
 思えばこの言葉から直江信綱の第2章が始まったのではないでしょうか。それまでは何とかいい人を取り繕っていたのに…早くも限界が来たようです。 
「あなたを見ていると時折無性にカンに障る。その命令口調がいけない」 (26巻p125) 
 高耶さんと口論した直江。そう言って力任せに高耶さんを屋形船に突き飛ばし、係留ロープを切る。船の中で押し倒して、高耶さんのシャツを引き裂くというお得意の技を登場させてます。命令口調がいけない、とか言われても高耶さんは上司ですよ?主従の≪主≫ですよ?さすが直江。
「どうしても行くなら行けないようにしてやる。その脚も腰も立たないくらいに―頭がおかしくなるようなことをしてやる!」 (28巻p229)
 どんなことをするんだ〜?!是非頭がおかしくなるようなことをして下さい。見てみたいです…。




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